(6) 平衡蒸留回数による単式蒸留器の精留効果の評価方法(文献3-5)
図 3-8において、濃度 x1(A)のエタノール水溶液に平衡な蒸気のエタノール濃度はy1(B)です。平衡蒸留器によるとB点の蒸気組成の留出液が得られ、平衡蒸留1回目の溶液に相当します。

(注)酒類関係ではアルコール濃度を通常容量%で表すので、縦軸の蒸気のエタノール濃度は、蒸気を液化した場合の容量%で表してあります。
以下同様です。
1回目の蒸留で得られた留出液をもう一度平衡蒸留器で蒸留します。濃度y1に等しい値をX軸に取り、C点(x2)とします。
x2に平衡な蒸気はD点(y2)で、D点の蒸気を冷却すると、平衡蒸留が2回目の溶液が得られます。
さらに、もう1度蒸留を繰り返すと、平衡蒸留が3回目の濃度y3(E点)の留出液が得られます。
以上のように、原料であるエタノール水溶液を平衡蒸留器で蒸留し、得られた留出液を目的濃度に達するまで繰り返し蒸留する回数により、濃縮率を表すことができます。以後、平衡蒸留回数はNeと略記します。