(5) 精留効果測定の尺度
精留効果を評価するためには尺度が必要です。例えば、濃度5(%v/v)の水溶液から70(%v/v)の留出液が得られる蒸留器があった場合、「単式蒸留器で何回繰り返し蒸留すると、5(%v/v)のから70(%v/v)まで濃縮することがでるか」ということを測定することにより、他の蒸留器と比較することはできますが、単式蒸留器は条件によって留出液の濃度が異なるため、正確に測定することはできません。
そこで、缶液と平衡な留出液を得ることのできる平衡蒸留器による蒸留回数により評価することとしました。
平衡蒸留器は、なるべく大きな蒸留缶を用い、蒸気が全く分縮しないように蒸留器の上部を断熱材で保温して、留出液を缶液に注入しながら長時間循環蒸留を行うと、缶液と平衡な留出液が得られる、図3-7のような蒸留器です。

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