(3) 単式蒸留器によるエタノール水溶液の蒸留
エタノール水溶液を図3-4のような蒸留器に入れて加熱し、沸騰させるとエタノール水溶液に平衡な蒸気が発生します。
発生した蒸気は蒸留缶内を上昇しますが、外部は温度が低いので、蒸気の一部が凝縮します。残った蒸気を冷却器に導入して冷却すると留出液が得られます。
図3-4のような蒸留器で蒸留を行うと、蒸留缶液のエタノール濃 度が次第に低下するので、留出液の濃度も次第に低下します。

図3-5に、単式蒸留器によりエタノール水溶液を蒸留した場合の、留出液と缶液のエタノール濃度の測定例を掲げます。
横軸は留出液量(留出液の原料に対する割合(%))、縦軸はエタノール濃度(%v/v)で、●は缶液、○は留出液、▲は缶液に平衡な留出液のエタノール濃度(%v/v)です。缶液に平衡な留出液のエタノール濃度(%v/v)は図2-5から求められます。
図3-5から明らかなように、留出液のエタノール濃度(○)は、缶液(●)に平衡な濃度(▲)より高くなっています。
(図3-5)

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