(4) 仕込部の構造
仕込部は通常のポットスチル型蒸留機と同様の装置を備えていますが、以下の装置は本装置特有のものです。
①マンホール(28) 1個 (図 5-2)
部品の着脱、掃除などの作業を行うため、人が出入りできます。
②通気口(30a) 4個 (図 5-2)
留出液の初留臭を防止するため、醪加熱開始後、発生するガス抜きを行います。
③減圧防止弁(31) 1個 (図 5-2)
仕込部の加熱停止後、仕込部が減圧状態になることを防止します。仕込部の蒸気は外部に流れませんが、内部の気圧が低下した場合、外部から空気の流入を可能とします。
④再蒸留部貯留液抜きバルブ(41) 4個 (図 5-3、5-5、5-6)
再蒸留型蒸留機及び循環型蒸留機の場合、仕込液加熱開始時にはバルブ(41)を全部開き、再蒸留部のガス抜き終了後に閉めます。
また、再蒸留部(2)に凝縮液を溜めて蒸留する場合に、貯留液量を調節することも可能であり、蒸留終了後に再蒸留部残液を抜き取るためにも使用します。
蒸留中に、このバルブを操作するためには、蒸留機の外部から操作する必要がありますが、図5-3のように蒸留機内部に設けて遠隔操作できるバルブは現在市販されていません。特注すると価格が高くなりますから、図5-5のように蒸留機外部にバルブを設けた方が良いと考えられます。
このバルブは複数設置するのが望ましいので、図5-6のように自動バルブにした方が便利です( 8-2-2 参照)。
(図5-2 再掲)
(図5-3 再掲)

