3 糖質と二日酔いの関係

 

本章の内容
(1) エタノールの消化に必要なNAD量
(2) 体内のNAD濃度低下対策
(3) 人体内におけるグルコース及びエタノールの消化
(4) エタノールとデンプンの消化経路
(5) グルコースとエタノール消化におけるNADの消費
(6) 文献記載の二日酔い予防策の整理
(7) 結論 生化学理論に基づく二日酔い軽減策
(8) 引用文献

(1) エタノールの消化に必要なNAD量
 酒類を飲むと、アルコール(エタノール、注)はアセトアルデヒドを経て、酢酸に分解されますが、エタノールを酢酸まで分解するために、多量のNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、分子量663.4)が消費されてNADHに変化し、NADHは体内でNADに再生されます。
 エタノールからアセトアルデヒドへの変化には3つ経路があり、通常エタノールの80%程度はNADの消費を伴う酵素反応で処理されると報告(文献3-1)されています。
 しかし、アセトアルデヒドから酢酸への変化は、NADの消費を伴う酵素反応が1つあるだけです。
したがって、平均的には、エタノール1モルを含む酒類を飲んだ場合、アセトアルデヒドまで処理するのに0.8モル、アセトアルデヒドから酢酸まで処理するのに1モル、計1.8モルのNADが必要ということになります。

(参考)
25%焼酎180ml飲んだ場合、含まれるエタノールを酢酸まで分解するのに必要なNAD量。
 25%v/vエタノールの比重 0.9703(15/4℃)(文献3-2)
 25%焼酎180mlの重さ:180×0.9703=174.7g
 容積%から重量%へ換算:エタノール25 %v/vは20.46 %w/w
 25%焼酎180ml中のエタノール:174.7×0.2046=35.7g
 25%焼酎180ml中のエタノール(分子量46.1)のモル数:35.7/46.1=0.77モル。
 焼酎180mlに含まれるエタノールを酢酸まで処理するのに必要なNADモル数:0.77×1.8=1.39モル
 NAD 1.39モルの重さ:663.4×1.39=922.1g

 従って、25%焼酎180mlに含まれるエタノールを酢酸まで分解に必要なNAD量は約922gです。後で述べるように、酢酸から炭酸ガスまで分解するのに更にNADが必要です。
 25%焼酎180ml(1合)位では二日酔いにはならないかも知れませんが、2合、3合と飲むと、恐ろしい量になります。

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