第9章 香気成分の抽出蒸留及び不揮発性有用物質の抽出・濃縮

 

9-3  循環型蒸留機により不揮発性の有用物質を抽出して濃縮する方法

 不揮発性の有用物質を含有する原料を用い、ソックスレー抽出器のように、溶媒を蒸発させ、凝縮液により有用物質を抽出した後、不揮発性の有用物質を含有する抽出液を濃縮することができます。
①図8-2(再掲)のように循環型蒸留機を擁する蒸留装置において、分縮機(16)の下にあるバルブ(19)を閉めて、還流用のバルブ(18)を開きます。
②仕込部(1)に抽出用溶媒を仕込み、再蒸留部(2)に抽出目的物質を含有する原料を入れ、合わせて抽出用溶媒をバブルキャップ(13)の上まで入れます。
③仕込部の仕込液(9)を加熱装置(6または7)により加熱すると、仕込部(1)で発生する蒸気はバブルキャップの下部から再蒸留部貯留液(10)に注入されて再蒸留部貯留液内で凝縮し、再蒸留部貯留液の蒸発が起きます。
④再蒸留部(2)から流出する蒸気を分縮機において全部凝縮させて、凝縮液を再蒸留部に還流します。
⑤抽出原料は再蒸留部貯留液により抽出され、一定量を超える再蒸留部貯留液は溢流管(12)より仕込液に流入するので、抽出原料は絶えず抽出目的物質の濃度の低い再蒸留部貯留液により抽出され、抽出目的物質は仕込液中に蓄積します。
⑥任意の時間仕込液を加熱して還流した後、加熱を停止します。
⑦仕込液の温度低下後、不揮発性の有用物質を含有する仕込部残留液を得ることができます。
⑧抽出目的物質を含有する仕込液(9)を濃縮する場合は、バルブ(19)を開き、バルブ(16)を閉じて再蒸留部への還流を停止し、仕込液が前もって定めた液量となるまで加熱装置(6)により加熱して蒸留します。
⑨蒸留終了後、不揮発性の抽出目的物質を含有する濃縮された仕込部残留液を得ることができます。

(図8-2再掲)

図8-2 循環型蒸留機(試案)  
記号
1:仕込部、2:再蒸留部、3:保温材、7:直接加熱装置、9:仕込液、10:再蒸留部貯留液、 11:蒸気導管、12:溢流管、13:バブルキャップ、14:逆流防止蓋、16:分縮機、 17:冷却機、22:留出液、43:安全弁

 

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この章の最終改定日 2019年9月15日

 

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