第6章 再蒸留型蒸留機に関する研究及び実証蒸留機

 

6-2 再蒸留型蒸留機による留出液のこげ臭低減の原理(文献6-2、3) 

 図6-1のように、単式蒸留機に醪を張り込んで加熱すると、発生した蒸気は蒸留機内を上昇しますが、蒸留機内より外部の方が温度が低いので、蒸留機壁で蒸気が分縮して、分縮液は仕込液に流入します。分縮液にはエタノールが含まれていますから、流入したエタノールは再度蒸発させる必要があります。したがって、蒸留缶に流入する分縮液は蒸留時間を引き延ばします。

図6-1 単式蒸留機内における分縮液の流れ

 

図 6-2 留出液のこげ臭低減の原理

 したがって、以下のような方法により、仕込液の加熱時間を短縮することにより、フルフラール類の生成量を少なくすることができます。
①図6-2に掲げたように、単式蒸留機の内部に蒸発缶を置き、その上を軽いキャップで覆い、蒸発缶内に醪等の原料を張り込んで加熱し沸騰させます。
②発生した蒸気はキャップの下を通って蒸留機内に入り、蒸気はさらに上昇して冷却機の方へ流れます。
③蒸気の一部は蒸留機内で分縮して流下し、蒸留機壁と蒸発缶で囲まれた空隙の下方に溜まります(以後蒸留機壁と蒸発缶で囲まれた空隙を再蒸留部といいます)。
④蒸発缶液のアルコール濃度が予め定めた濃度まで低下した時、蒸発缶液の加熱を停止します。
⑤次に、再蒸留部に溜まった凝縮液を加熱して蒸留し、留出液のアルコール濃度が予め定めた値より低くなった時、蒸留を終了します。

 以上のような蒸留機の構造及び蒸留操作によると、再蒸留部上部で生じた凝縮液は蒸発缶には流入しないので、一定量の原料液を蒸留する時、蒸発缶液のアルコール濃度が一定濃度まで低下するのに要する時間は、凝縮液が蒸発缶に流入する従来の単式蒸留機より短縮され、仕込液中のフルフラール類生成量は減少します。

 

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