第6章 再蒸留型蒸留機に関する研究及び実証蒸留機

 

本章の内容
6-1 再蒸留型蒸留機を用いる目的
 
6-2 再蒸留型蒸留機による留出液のこげ臭低減の原理(文献6-2、3)
 
6-3 ガラス製再蒸留型単式蒸留器による蒸留(文献6-2)
 
6-4 実証蒸留機による醪の蒸留

6-5 本章のまとめ
 
6-6 謝辞
 
6-7 引用文献

6-1 再蒸留型蒸留機を用いる目的

 醪のアルコール分を分析する時、フラスコに醪を入れて蒸留しますが、蒸留終了後フラスコに残った液は焦げ付いていないのに、焦げたような臭いがあります。焼酎にこの香りがある場合はこげ臭と呼ばれており、蒸留前の醪にはない香りです。こげ臭の原因物質はフルフラール類であり、加熱により糖分が分解して生成することが明らかにされています(文献6-1)。
 アルコールの分析ではフラスコ内の醪のアルコール分がゼロになるまで(水は残っています)加熱するので、こげ臭は強くなりますが、実際の醪の蒸留においては、こげ臭や酸度が高くならないように、留出液のアルコール分が8~15%v/v程度の時留出液の採取を停止(末ダレカット)します。
 フルフラール類は、濃度が低い場合は焼酎の香気成分の一つとして、香りの調和上重要ですが、濃度が高くなり過ぎると不快な臭いとして感じられます。
 従来の単式蒸留機では、こげ臭を調節する手段は、末ダレカット度数の設定しかありません。しかし、フルフラール類は糖類の加熱分解により生成することが明らかですから、醪の加熱時間を調節することにより、留出液のこげ臭の強弱は制御できると推察されます。

 

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