第4章 棚段付き多機能単式蒸留機開発の目的

4-5  従来の単式蒸留機の短所の解決方法

 常圧蒸留におけるポットスチル型蒸留機の短所を図4-4に掲げた方法により解決します。

[短所1 = 製造できる蒸留酒のタイプは限られている。]
解決方法
 留出液の組成を次の方法により調節し、香味の幅を広げます。
方法1:蒸留機の内部に棚段を設け、棚段に部品を着脱して、蒸留機能を変更して、従来の単式蒸留機同様の蒸留の外、2形式の蒸留機として蒸留することができます(文献1)。
方法 2:蒸留機の外部を被覆面積が調節可能な断熱材で保温し、蒸留機内で生じる分縮液量を調節することができます。
方法 3:冷却水の温度が調節できる分縮機により、分縮液量を調節し、生じた分縮液は蒸留機に還流することができます。

[短所2 = 穀類を主な原料とした場合、こげ臭が強くなりやすい。]
解決方法
 棚段に部品を着脱して、蒸留における仕込液加熱時間が短縮可能な内部構造とし、仕込液加熱時間の短縮により、フルフラール類生成量を少なくして、留出液のフルフラール類の濃度を低くすることができます(文献2)。

[短所3 = 味が重くなりやすい。]
解決方法
通常の単式蒸留機は、高沸点成分濃度の低い軽快な香味の留出液を得るために、精留機能を高くし、分縮液量を増やすと、蒸留時間が長くなり(3-10参照)、フルフラール類の濃度が高くなりますが、本装置では、上記短所1及び短所2を解決する方法を組み合わせると、こげ臭の低い軽快な焼酎を蒸留することができます。

図 4-4 単式蒸留機問題点の解決方法

 

 

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