第4章 棚段付き多機能単式蒸留機開発の目的

4-3  常圧単式蒸留機の短所及び問題点

図4-2 常圧単式蒸留機の短所と問題点

 

 常圧単式蒸留機の短所、その原因及び問題点についてまとめると、図4-2のようになります。
① 蒸留できる製品の香味が限定的
 前章(3-9 3-11  )で述べたように単式蒸留機は、加熱量の変化により留出液の組成が変わりますが、その変化量はわずかです。一基の蒸留機で多様な製品を造ることは困難です。
②こげ臭成分の生成
 醪のアルコール分を測定するために、醪をフラスコに入れて蒸留したことのある人には分かってもらえると思います。蒸留の終わった後、フラスコに残った液の香りが「こげ臭」です。醪を蒸留した残液の香りが、こげ臭ですから、留出液にも当然こげ臭があります。
 糖類を含む液体を加熱すると、糖類の熱分解反応により、こげ臭の原因物質であるフルフラール類が生成します。
焼酎に含まれるフルフラール類は微量の場合は他の成分と調和し、好ましい香りの一つであり、過剰になると焦げたような香りとして感じられると考えられています。
 蒸留中の加熱より生成する好ましい成分(上記長所②)とのバランスが重要です。減圧蒸留機が選択される原因の一つと推察されます。
③味が重くなりやすい。
 市販されている単式蒸留焼酎は多様で原料によっても異なりますが、一般的には適度な高沸点成分濃度に由来する味の濃さがあり、かつきれいな香味の焼酎が高く評価されるようです。
 単式蒸留機においては、アルコール収得量を多くすると、酸度や高沸点成分の濃度が高くなり、味が重くなるという関係にあります。減圧蒸留機が選択されるもう一つの原因と推察されます。

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