第2部第2章 二日酔いの起こる機構と軽減策

 

2-2-4 二日酔いの起こる機構
 エタノールを摂取した場合に、図2-2のように、三つの経路によりエタノールは分解されて、アセトアルデヒドが生成し、アセトアルデヒドは反応3に従って、アセトアルデヒド脱水素酵素により酢酸に分解され、分解できない余剰のアセトアルデヒドは反応2に従ってエタノールに戻ります。反応1と2は平衡関係にあります。
 一方、エタノール及びアセトアルデヒドの分解にはNADが必要であり、特に1モルのアセトアルデヒドを酢酸に分解するのにNAD 1モルは必須なので、エタノール1モルを酢酸まで分解するのにNADは1.0~2.0モルが必要ということになります。NADHは反応2の外、体内で多くの反応によりNADに再生されます
エタノールを摂取した場合のNADの動向に絞って整理すると、図2-3のようになります。

図2-3 飲酒時のNADの動向

 

 多量飲酒した場合、細胞のNADが減少すると、反応1及び3の速度が低下する可能性がありますが、その場合もNADPHによるMEOS系とカタラーゼ系によりアセトアルデヒドは生成し続けます。
 エタノールとアセトアルデヒド濃度は平衡関係にあり、エタノールとアセトアルデヒドの濃度の比は一定に保たれています。したがって、エタノールが体内に存在する間は、アルコールと平衡な濃度のアセトアルデヒドが存在し、NADが減少してアセトアルデヒドの分解する速度が小さくなると、エタノールとアセトアルデヒドに体内がさらされる時間が長くなります。エタノールから酢酸までの分解反応においては、アセトアルデヒドの分解が律速段階ということになります。
反応1及び3の進行に必要なNADは図2-3のように、反応2の外、多くの酵素反応によってNADHから再生されますが、NADの消費と再生のバランスが崩れた時、アセトアルデヒドによる障害が起きると推察されます。
 文献2-4には、「ミトコンドリアのNADHの酸化が飽和して、アセトアルデヒドを酢酸に酸化する速度が制約されるとアセトアルデヒドが蓄積する」と記載されています。
 

 

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(続く、第2章作成中)

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