2 二日酔いの起こる機構と軽減策

本章の内容
1  酒飲みのための生化学
(1) 体内におけるアルコールの分解
(2) アルコールの分解反応
(3) アセトアルデヒドの分解
(4) ナイアシン
(5) まとめ
2  二日酔いの起こる機構
(1) エタノールからアセトアルデヒドへの変化
(2) アセトアルデヒドの酸化
(3) NADの再生
(4) 二日酔いの起こる機構
(5) 引用文献

 

1  酒飲みのための生化学
 酒をほとんど飲めない友人が入社試験の面接で、「お酒はどれくらい飲めますか?」と尋ねられ、彼は「今まで二日酔いをしたことはありません」と答えたそうです。それを聞いて周りの者はびっくりしましたが、「酒に弱いから二日酔いをするほど飲んだことはないという意味だ」と解説して皆を笑わせたことがありました。遺伝的にアルコールを消化できない体質の人に無理に酒を飲ませるのは危険です。
 本章では酒が数時間飲めて、時々二日酔いするような、ほどほどに酒の強い人についての二日酔い軽減策を述べます。本項の目的は爽やかに酔い、二日酔いが軽くなるような料理の選び方、または酒の飲み方の追求にあります。二日酔いになってしまったら、治療は医師にお願いするしかないので、ここでは二日酔い予防または二日酔いを軽くする方法に的を絞ります。しかし、二日酔いが軽くなったからと言って、くれぐれもお酒を飲み過ぎて体調を悪くされることのないようお願いします。

 

(1) 体内におけるアルコールの分解
 今回は生化学の教科書(文献2-1、2-2)などに記載してあることの紹介です。したがって、公知のことであり、これから述べることから導かれる二日酔い予防策も、前章に記載した予防策の中に含まれていることを前もってお断りしておきます。
 多くの解説書(2-3など)では、アルコール(エタノール)は、アルコール脱水素酵素の作用によりアセトアルデヒドに、アセトアルデヒドはアセトアルデヒド脱水素酵素の作用により酢酸に分解されると記載されていますが、体内における両物質の分解はもう少し複雑です。

 

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