第2部第3章 糖質と二日酔いの関係

3-4 エタノールとデンプンの消化経路
 図2-5のように、アルコール(以下エタノール、下記注参照)を人間が飲んだ場合は第1章1-2、1-3で述べたように、エタノールはアセトアルデヒドを経て酢酸に変化しますが、酢酸はアセチルCoAに変化し、さらに8種類の酵素反応からなる複雑な反応系(クエン酸回路、文献3-4、3-5)で消化され、最終的にはCO2と水に分解されます。
 一方、人間がご飯などを食べると、含まれているデンプンは、消化酵素で分解されてグルコース(ブドウ糖)になります。
 次に、グルコースは10種類の酵素反応からなる複雑な反応系(解糖、文献3-4、3-5)により分解されてピルビン酸になり、ピルビン酸はアセチルCoAに変化し、さらにクエン酸回路系により、CO2とH2Oに完全に分解されます。
 2-5図からも明らかなように、エタノールとデンプンの消化において、アセチルCoA以下クエン酸回路系による消化は共通しています。
 グルコースが解糖からエン酸回路までの経路によりCO2とH2Oに分解される反応において、多量のNADが消費されます。

図 2-5 エタノールとデンプンの消化経路の概略

(注)アルコールとエタノールについて
 酒税法で、「酒類とは、アルコール分一度以上の飲料」と定められています。アルコール分は国税庁所定分析法(文献3-6)により測定することと定められています。アルコール分の分析法は、酒類を蒸留して留出液の比重を測定し、比重の等しいエタノール水溶液の濃度を、アルコール分として測定する方法です。
 留出液には、水以外ではエタノールが最も多く含まれていますが、この2成分以外にも微量の高級アルコールやエステル類などが含まれています。留出液の比重はエタノールのほか微量成分を含んだ液の比重ですから、酒税法で定めるアルコール分は、エタノール以外の微量成分を含んだ値ということになります。

 

 

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